月尾 嘉男/著 刊行年月:2024-5-13 四六判233ページ 発行:遊行社 定価1,800円(税込) ISBN 978-4-902443-76-9 C0023 ※書店、Amazon、honto、楽天ブックス等でお買い求めいただけます。
目 次
⑴ 騒乱の時代に歌人となった武士 西行 …………………………………………9
欲望の渦巻く王朝/北面武士から僧侶へ転向/白河以北の陸奥を行脚
崇徳上皇の御陵を訪問/最後の奉公の旅路
⑵ ポルトガルを世界に飛躍させた エンリケ航海王子 …………………19
大国であったポルトガル/武勇で活躍した王子/王子の村落を創設
マデイラ諸島の発見/カナリア諸島の発見/アフリカ大陸西端に到達/アフリカ大陸南端を周回
⑶ 日本列島を周回する航路を開拓した 河村瑞賢 ……………………………29
幕府が命令した航路開拓/次々と商才を発揮/東回りと西回りの航路開拓
大坂平野の河川改修に成功/江戸での静謐な晩年
⑷ 高齢社会の手本となる 貝原益軒 ……………………………………………39
藩士として業績のあった人物/人生指南をした益軒/博物学者としての益軒
旅人としての益軒/高齢社会の手本となる益軒
⑸ 将軍徳川綱吉に二度拝謁した エンゲルベルト・ケンペル …………47
日本へ進出してきたキリスト教徒/魔女裁判の時代に誕生/二年かけてホルムズ海峡に到達
長崎の出島に滞在/江戸参府旅行に随行/二度の江戸参府旅行/二冊の貴重な記録を出版
⑹ 旅行日記の秀作を発表した 井上通女 ………………………………………57
通行の難所であった関所/父親と丸亀から江戸へ旅行/新居関所の通過で大変な苦労
江戸で評価された才能/当時から評価されていた女性
⑺ 生物を命名する規則を発明した カール・フォン・リンネ ……………65
博物学が花開いた一八世紀/二十代で生物の分類に挑戦/方向を決定した『自然の体系』
二名式命名法の発明/リンネを後継した人々
⑻ 次々と画風を転換した異才 司馬江漢 ……………………………………75
生前に遺言を公開した奇人/浮世絵師春信の代筆として活躍/宋紫石の弟子として唐絵を習得
蘭学人士と出会い銅版画に挑戦/長崎や紀州へ旅行/画家から科学に領域を拡大
生前から死亡通知を発表
⑼ 写楽を誕生させた 蔦屋重三郎……………………………………………85
江戸の芸術の源泉・浮世絵/『吉原細見』から出発/次々と人気作家を輩出
寛政の改革で暗転/世界三大肖像画家・写楽の誕生
⑽ 幕末の国防に活躍した 江川太郎左衛門英龍…………………………95
外国の船舶が出没しはじめた江戸末期/大砲の製造のため反射炉を構築
大砲の素材生産のため反射炉を構築/ペリー艦隊の上陸に対処する台場
⑾ 自由に活動した天才 大野弁吉………………………………………………105
独自に発達した江戸時代の科学技術/長崎で先端技術を吸収/失脚した銭屋五兵衛
加賀の平賀源内開/彫刻や技術開発に活躍/独立自尊の人生
⑿ 世界を旅行した女流画家 マリアンヌ・ノース ………………………115
大英帝国を象徴する女性/キューガーデンズにある美術館/名門に誕生した女性
世界各地で歓迎された旅行/世界一周旅行で日本も訪問/美術館の開館
大英帝国を象徴した旅行
⒀ 日本の生物境界を発見した商人 トーマス・ブラキストン…………125
日本の生物境界ライン/貿易会社の箱館代表となる/北海道内で鳥類の研究
気象観測機器や製材機械を導入/次第に発生した毀誉褒貶/北海道との因縁
⒁ 近代日本の社会基盤を整備した 前島 蜜 …………………………………135
動乱の幕末/母親の薫陶/海外への視線
鉄道事業の計画作成/郵便制度に貢献
⒂ 日本の近代医学を開拓した 北里柴三郎 …………………………………145
東京医学校に入学/コッホの研究室に留学/ジフテリアの血清療法を開発
脚気の原因の論争で騒動/窮地の北里を支援した福沢諭吉
⒃ 世界の女性の首を飾った 御木本幸吉 ……………………………………155
貴重であった天然真珠/養殖真珠へ挑戦開始/半球真珠の発見
一気に世界へ発展
⒄ 日本に登山を根付かせた ウォルター・ウェストン …………………165
宗教行事であった日本の登山/登山をスポーツにした英国男性/一旦帰国して結婚
四年間で一六座に登頂/各地で敬愛されたウェストン
⒅ アメリカの放送産業を開拓した デイヴィッド・サーノフ …………175
無線通信時代の登場/タイタニックの悲劇を中継/RCAの総支配人に就任
アメリカ最初の放送会社NBC/テレビジョン放送に進出
⒆ テレビジョンを発明した 高柳健次郎 ……………………………………185
同時発生の不可思議/登場したテレビジョン/やらまいか精神の遠州
先端の通信分野に転身/テレビジョンを実現/戦後は研究と産業に貢献
⒇ 世界で最初に人工雪を実現した 中谷宇吉郎 ……………………………195
恩師は寺田寅彦/中世から研究されていた雪/中谷に影響した写真集
真冬の高山で撮影/人工雪の生成に成功/国際社会で活躍
21 命令に違反して多数の人命を救済した 杉原千畝 ………………………205
リトアニアという国家/カウナスの領事代理/訓令を無視してビザを発給
帰国して外務省を退職/ようやく認知された杉原の勇気
22 アイヌ民族の精神を体現した 知里幸恵 …………………………………215
世界に多数存在する先住民族/日本の先住民族アイヌ
素晴らしい能力の才女/金田一京助との出会い/後世に遺贈された『アイヌ神謡集』
知里幸恵の遺言
23 人類史上最高の知能とされる ジョン・フォン・ノイマン …………225
天才を輩出するハンガリー/幼児の時代から天才/数学教授を驚嘆させた博士論文
プリンストン高等研究所の教授/原子爆弾の研究に参加
つきお よしお 1942年名古屋生まれ。1965年東京大学部工学部卒業。工学博士。名古屋大学教授、東京大学教授などを経て東京大学名誉教授。2002─03年総務省総務審議官。これまでコンピュータ・グラフィックス、人工知能、仮想現実、メディア政策などを研究。全国各地でカヌーとクロスカントリーをしながら、知床半島塾、羊蹄山麓塾、釧路湿原塾、白馬仰山塾、宮川清流塾、瀬戸内海塾などを主催し、地域の有志とともに環境保護や地域計画に取り組む。主要著書に『日本 百年の転換戦略』(講談社)、『縮小文明の展望』(東京大学出版会)、『地球共生』(講談社)、『地球の救い方』、『水の話』(遊行社)、『100年先を読む』(モラロジー研究所)、『先住民族の叡智』(遊行社)、『誰も言わなかった!本当は怖いビッグデータとサイバー戦争のカラクリ』(アスコム)、『日本が世界地図から消滅しないための戦略』(致知出版社)、『幸福実感社会への転進』(モラロジー研究所)、『転換日本 地域創成の展望』(東京大学出版会)、最新刊「AIに使われる人 AIを使いこなす人」(モラロジー道徳教育財団)など。モルゲンWEBの連載「清々しき人々」とパーセー誌の連載「凜々たる人生 ─ 志を貫いた先人の姿 ─」からの再編集版として、『清々しき人々』、『凛凛たる人生』、『爽快なる人生』(遊行社)など。