ハルくんの虹  ―カメルーンと日本 愛と希望のリレイ― 著者メッセージ:作者・上斗米 正子さん

今日、あなたに届け!
「ハルくんの虹・Niji/The Rainbow/Rem/L’arc-en ciel」
カメルーン日本 愛と希望のリレイ
                                     
 2022年3月30日、「ハルくんの虹」が、一冊の絵本となって誕生しました。
カメルーンの少年ハルくんが日本語、英語、ンズ語(カメルーンで話されている言語のひとつ)、フランス語で語り、ページをめくる度に、強烈な光の束が溢れてきます。

 私たちのカメルーンホームステイ交流体験をもとに、「愛しのカメルーン×トーゴ―19歳~73歳の多言語仲間16人のアフリカホームステイ発見伝」が出版(遊行社刊)されたのが2年前ですが、当時から、カメルーンに赴くきっかけの物語『虹』というページを、小学生のお子さん方が音読してくださったりして、絵本になったらいいな~と声が寄せられました。

 実は「絵本をつくってみたい」は私の長年の夢でもあり、つくるとしたらどんな絵本にしたいかなと構想をめぐらすようになりました。それから半年が過ぎ、原爆投下や終戦記念日の話題一色になる8月に、「温かい温もり」の感触や「本当に大切なこと」が伝わる「美しい」絵本をつくりたい!とスイッチが入り、原稿に着手しました。

 カメルーンは約250の民族と言語が混在する多文化・多様性・多言語の国。2017年にカメルーン・ヤウンデで日本人10人がホームステイで交流しましたが、そのホストファミリー10家族の言語がほとんど異なっていました。絵本が完成したら、訪問した小学校や保育園のあの子たちにも届けたい!ホストファミリーの人々にも贈りたい!そんな想いから、日本語もあわせて4ヵ国語で語ろう、カメルーンの言語は現地の方々に助けていただこうと共同作業も始まりました。

カメルーンのハルくんに会いたいな。
わたちぃも「虹プロジェクト」参加するよ♪
大澤莉茉、8ヵ月、西東京市

 画は、夫の長年の交友から、油彩画界でご活躍の佐藤泰生氏が色彩の魔術師ぶりを発揮してくださるも、前人未踏の〈アート&多言語〉絵本の制作は何度も座礁、何度も諦めかけたものの、カメルーン現地の仲間たち、ヒッポファミリークラブ、遊行社の皆さんのご尽力、夫の激励により、やっとカタチに~アフリカのンゾ語登場、初めから4ヵ国語の物語、飛び出すような芸術画面、音声(QRコードから)付の朗読詩など、初めてづくしのワクワクがいっぱいになりました。出版直前、尊敬するウスビ・サコ氏(京都精華大学前学長)から帯におことばをいただいた時、私の嬉し涙が虹になりました。

 コロナ収束の行方はまだまだ見えず、またウクライナとロシアの戦禍も日々激しさを増すばかりですが、あなたにとって、大切な何かひとつでも「ハルくんの虹・Niji」から感じていただければ幸いです。曇りの日、大雨のあとに太陽がキラッと射した時、虹が出現~明日に虹を架けるのは「あなた」です。

2022年4月23日   上斗米 正子

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