『みらいをひらくちいさな冒険者たち-ようこそ-多言語ワールドへ』著者メッセージ

 今年、グループフェロー、大人の引率者として、小学五年生から中学生と一緒に、初モンゴルに行った。これまでもロシア、韓国、アメリカ、メキシコ、台湾等々、青少年と一緒に出掛けて、それぞれ現地のお宅に家族の一員としてホームステイさせて頂いた。

 年ごとに一緒に行く青少年は違っていて、毎回が初めての冒険。十日、二週間、一ヵ月、日程も国も違っているけど、未知の国、未知の家族、未知のことば、その中でやり切る一人ひとりの冒険はおおきい。

 十年前に行ったアメリカ・ワシントン州で、現地の若者の物語に出会った。ラナルド・マクドナルド。インディアンとイギリス人のハーフで、インディアンのルーツは日本人ではないかと、鎖国時代の日本に漂着して、日本初の英語教師として十ヵ月を日本で過ごした。その墓標と記念碑に出会って泣けたこと、そしてもう一人、ラナルド・マクドナルド来日の記事を新聞で読んだ日本の若者・松浦栄。ラナルドの眠るオキナーゲンのトロダまで2年の歳月をかけて渡り、沢山の写真を残し、町の人々からフランク栄と呼ばれ愛されたこと。

 二人の若者の居場所探しの物語が、長らく閉ざしていたわたしの心の扉を、ツッと押した。

 一緒に行った中学生たちの、全身でひらいてホスト家族に馴染んでいく姿も、わたしをひらいていく大きな後押しになり、十年前のわたしはおずおずと自身の物語を語りだした。

 そしてまた再び物語は動き始めた。

 書こうとすると、泣けることもあるけれど、書くことで新たな力と、明日への活力が沸きます。

 ことばについて、言語習得について考えたり、あなた自身の物語を語り始めるきっかけになれると嬉しい。

2026年4月

のぞえ 咲

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